高校生のときに写真を教えてくれた師匠の言葉である。当時は白黒写真を撮っていた。普段見ることができないような異様な光景を撮れるチャンスとして、「夕暮れ、逆光、雨上がり」と教わった。たしかにそのとおりで、雨が降った日に夕方晴れると、カメラを持って、出かけたものだ。出かける先は青森港が多かった。妙に湿っぽい空気や蒸し暑い空気も写すことができたような気がしていた。写したつもりで、暗室から出るとうちひしがれていることの方が多かったけど。貧乏高校生がアルバイトしながら写真を撮り続けていた。あれはあれで楽しいことだった。
昨日も今日もいい夕暮れだった。でも、カメラは持ち歩いていない。残念なことだ。いっそ、カメラを持ち歩くか?それはそれで楽しいことかもしれない。でも、貧乏高校生時代のように燃えたり、熱くなったりはしないのかもしれない。あの感じが今欲しい。
というわけで、同志Kのいにしえの写真でも貼っておこうと思う。Kはこの撮影のとき、まだ見たことがない何かが見えたらしい(本人の誇張と思われる)